地球には5種類のサイがいます。

 

地上ではゾウに次ぐ大きさの哺乳類で、ゾウと同じ草食獣

 

左上から時計回りにシロサイ、インドサイ(中央)、スマトラサイ、ジャワサイ、クロサイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@M.Senzaki

アフリカのサイ : 角が2本

名前はシロサイとクロサイですが、皮膚の色はどちらも灰色。

 

シロサイ : 約2万頭

その9割が南アフリカ共和国に生息。主にサバンナの下草を食べるため、地面に沿うような横長で角ばった口の形が特徴的。サイのなかでは群れで暮らす唯一の種。

 

 

クロサイ : 約5千頭

主に南アフリカ、ナミビア、ケニヤ、ジンバブエ、タンザニアの灌木地帯に生息。とがった口先で木の枝や葉をつかみ取って食べます。身体の大きさはシロサイよりも少し小さめ。

 

アジアのサイ : 主に角が1本

 

インドサイ : 約3千頭

インドとネパールの沼地に生息し、湿地に生える丈の高い草や水草を食べます。水に浸かっていることも多いサイです。アジアのサイのなかでは最も大きい種で、角は1本で短め。皮膚には深いヒダと鋲のような突起があり、何となく恐竜を思わせるような風貌。

 

 

スマトラサイ : 約100

かつての生息地は南アジアの比較的広い範囲でしたが、現在はインドネシアのスマトラ島とボルネオ島のみ。深い熱帯雨林に暮らし、主に低木の枝葉、樹皮、果実などを食べます。サイのなかでは最も小さく、インドサイの半分くらいの大きさ。茶色がかった皮膚に赤茶色の毛が生えていることが特徴。アジアではスマトラサイだけが角2本。5種のサイのなかで現在、最も絶滅が危ぶまれている種です。

 

 

ジャワサイ : 約50

かつてはインド東部からベトナム、ジャワ島までの広い地域に生息していたが、現在はインドネシアのウジュン・クロン国立公園のみに生息。熱帯雨林に暮らし、主に木の枝や葉、植物を食べます。角は1本で、インドサイよりも身体は小さいですが、同じくヒダと突起のある外見です。最新の情報では、58頭が確認されています。

  

 

5種のサイはすべて絶滅危惧種

 

「ワシントン条約」として知られる「絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約」(CITES)において、5種のサイはすべて最も規制の厳しい「附属書Ⅰ」に分類され、学術研究と繁殖の目的以外での取引は禁じられています。

 

このようにサイの絶滅が危惧される状況になった主な原因は、人間による生息地の破壊と角をねらった密猟です。

 

近年、急増するサイの密猟

 

20世紀の初めにもサイは乱獲され絶滅が危ぶまれましたが、厳しい保護政策により個体数もある程度は回復し、安定した状況となっていました。ところが、約10年前からサイの角目当ての密猟が急増。アフリカのサイの8割以上が生息する南アフリカ共和国で2007年には13頭だった密猟数が、5年後の2012年には668頭、昨年2015年には1175頭と、すさまじい勢いで増加し、現在は平均1日3頭のサイが殺される計算です。

 

もし、密猟がこのペースで増加し続けたら、10年から20年のうちにサイが本当に絶滅するのではないか、という予測さえあります。

 

密猟増加の背景には、中国やベトナムなどの国々の急速な経済発展による富裕層の出現があると考えられています。新たに経済が発展した国では富裕層を中心に高価な野生動物製品の需要が高まる、という傾向は一般的に見られるようですが、中国やベトナムではサイ角需要に関わる特殊な事情があります。

 

 

 

アジアにおけるサイ角の迷信

 

古くから中国やベトナムでは、サイ角に薬効があると信じられ、その粉を使った漢方薬が珍重されてきました。実際にはサイ角の主成分は、人間の爪や毛髪と同じケラチンというタンパク質で、科学的には薬効は一切なく、効能は迷信に過ぎません。しかし、現在でもこれらの国々では、ガンの治療から解熱、健康増進、二日酔い防止など多岐な目的での効能が信じられています。

 

 

サイ角製品のステータス・シンボル化

 

サイ角はワシントン条約によりは国際取引が禁止されているので、ブラック・マーケットで闇取引されます。闇価格は角1kgあたり最高10万ドルとも言われ、ゴールドやダイヤモンドよりもはるかに高値です。従って、購入できるのは少数の富裕層に限られることから、ベトナムや中国では成功者のステータス・シンボルにもなっています。同時にそのことがサイ角の価格をさらに吊り上げ、密猟の増加を加速させています。

 

 

サイ生息地での密猟対策の難しさ

 

サイ角が超高値で闇取引されることから、国際的犯罪シンジケートや大規模テロ組織が密猟ビジネスとして関わるようになりました、彼らは潤沢な資金で高度な装備を整えるので、サイの密猟成功率が上がり、取締りが難しくなってきています。サイの生息地では密猟防止のため、レンジャーによる監視に加え、安全な場所へのサイの移動、角のカット、摂取者への有害成分の角への注入など、さまざまな対策が講じられていますが、なかなか成果を上げることができないのが現状です。

 

最強の密猟対策は需要をなくすこと!

 

当たり前のことですが、サイ角が売れなければ、サイの密猟は起こりません。

 

サイ角を消費しているベトナムや中国の富裕層の一部の人々に、考えや行動を変えてもらえたら、サイの密猟問題は解決します。そのために私達は何ができるでしょうか?

@TAE